りんごの棚のシンボルマーク。赤色のりんごに目と口が描かれており、視線が右方向に向いているイラスト。

りんごの(たな)

「りんごの棚」では、すべての子どもが読書を楽しめる場を提供しています。本サイトでは、「りんごの棚」のこと、資料や道具などについて紹介しています。


お知らせ


りんごの棚について

りんごの棚とは?

「りんごの棚」は、特別なニーズのある子どもを対象とした公共図書館サービスの一つとして、スウェーデンの図書館でスタートしました。はじめは、1993年にスウェーデンの図書館(ヘルノーサンド図書館)で「りんごの図書館」として開かれました1。その後、図書館に設置しやすいように「りんごの棚」に変更され、すべての子どもに読書の喜びを体験してもらう場所として、スウェーデン国内のほとんどの図書館に設置されています。

日本初の「りんごの棚」は、埼玉県川越市小川町立図書館で設置されました2。国内でも少しずつ広がりをみせています。

「りんごの棚」には、紙に印刷された資料だけでなく、特別なニーズのある子どもを対象としたさまざまな利用しやすい形式の資料(アクセシブルな資料)3や読書を支援するための道具があります。「りんごの棚」では、さまざまな利用しやすい形式の資料を一つの場所に集めることで、子どもが自分に適した資料に出会える手助けをします。

「りんごの棚」には、子ども向けの本ばかりでなく、大人向けに子どもをサポートするためのさまざまな障害に関する資料やサービスの情報があります。

りんごの棚のロゴ。赤色のりんごに目と口が描かれており、視線が右方向に向いているイラスト。
「りんごの棚」のロゴマーク

「りんごの棚」のロゴマークは、2005年にスウェーデンの公共図書館でアクセシビリティに関する取り組みの一環として作成されました4

「りんごの棚」のロゴマークは規定の範囲内で自由に利用できます。詳細は、よくある質問の「りんごの棚の設置や広報」をご覧ください。

もどる

資料や道具の紹介

「りんごの棚」 には、本を読むだけでなく、聴く・ 触る ・ 機器を使うなどのいろいろな方法で読書を体験できるさまざまな利用しやすい形式の資料や読書支援のための道具があります。また、大人向けに子どもをサポートするためのさまざまな障害に関する資料もあります。

「りんごの棚」で、出会える資料や道具の例を紹介します。ただし、図書館によって資料や道具は異なります。

資料


道具


資料

録音図書(DAISY(デイジー)図書)

録音図書とは、視覚障害者や活字による読書が困難な方が耳で聴いて読書ができるように、図書の内容を音声や画像で収録された図書のことです。DAISY(デイジー)というデジタル録音図書の国際標準規格で製作されており、デイジー図書とも呼ばれます。デイジー図書には、音声デイジー図書、テキストデイジー図書、マルチメディアデイジー図書の3つの種類があります。目次やページ情報が収録されておりナビゲーション機能があります。デイジー図書の利用には、再生には専用のソフトや専用の再生機などを使用します。図書館では貸し出しを行なっている場合があります。

デイジー図書の種類
音声デイジー図書
音声デイジー図書とは、本文の内容をコンピュータなどで人工的に作成した音声(音声合成)、または音訳者が朗読して録音した音声が収録されたデイジー図書です。音声デイジー図書の再生には専用の再生機(プレクストーク)を使用します。
テキストデイジー図書
テキストデイジー図書とは、音声が収録されていないデイジー図書のことで、本文のテキストや画像が含まれています。本文は、合成音声で読み上げることができ、図や写真の説明を聞くことができます。文字のサイズや色を調整することができ、読み上げている部分をハイライトさせることができます。テキストデイジー図書の利用には、パソコンやタブレット端末上で、専用のソフトウェアやアプリを使用します。
マルチメディアデイジー図書
マルチメディアデイジー図書とは、音声が収録されており、本文のテキストと画像に音声を同期させたデイジー図書です。文字のサイズや色を調整することができ、読み上げている部分をハイライトさせることができます。テキストデイジー図書との違いは、音声と本文や画像を同期させるため、読み誤りがないことです。マルチメディアデイジー図書の利用には、専用機器、再生ソフトをインストールしたWindowsパソコン、再生アプリをインストールしたスマートフォン、タブレット端末などを使用します。
もどる

LL(エルエル)ブック

LL(エルエル)ブックとは、文章をやさしい言葉でわかりやすく書かれている図書のことです。文章だけでなく、写真、イラスト、ピクトグラムなどを用いてわかりやすく表現しています。

もどる

点字図書

点字図書とは、図書の内容を点字に翻訳(点訳)した図書のことです。点字図書は、紙に印刷したものと電子データに保存したものがあります。電子データの点字図書は、点字ディスプレイを使って読むことができます。

もどる

点訳絵本

点訳絵本とは、視覚障害のある方とない方が一緒に読むことができるように、文章の部分に点字に翻訳(点訳)した透明の点字シートを貼った絵本のことです。絵の部分は、同じシートで形を切り抜いて貼り付けられ、形が取れない場合は、説明をつけるなど工夫がなされています。

もどる

布絵本

布絵本とは、紙の代わりに布(帆布、フェルト生地など)を用いて、革やひもなどのさまざまな素材を用いて作られた絵本のことです。指で触って絵の形を確かめたり、絵をマジックテープで取り付けたり外したりなど工夫がなされています。

もどる

さわる絵本

さわる絵本とは、視覚障害のある子どもが楽しめるように布だけでなく実物の質感や触感などに近いさまざまな素材を用いて作られた絵本のことです。指で触るだけで内容が伝わりやすいように工夫されています。

もどる

大活字本

大活字本とは、弱視の方や高齢で文字が読みづらくなった方が読みやすいように、行間を調整して大きな文字で書かれた図書のことです。

もどる

手話付き絵本

手話付き本とは、聴覚障害のある子どもに手話と単語の対応をわかりやすく伝えるために、手話のイラストと単語を組み合わせた図書のことです。

もどる

指文字付き絵本

指文字付き絵本とは、聴覚障害のある子どもに指文字と文字の対応をわかりやすく伝えるために、本文に指文字を付け加えた図書のことです。

もどる

視聴覚資料

視聴覚資料とは、音や映像が収録された資料のことです。CD、DVD、カセットテープ、ビデオテープなどがあります。

もどる

電子書籍

電子書籍とは、パソコン、タブレット端末やスマートフォンなどの電子機器を用いて、読書ができる書籍のことです。電子書籍の表示形式には主に2つの種類があり、紙媒体の図書と同じようにレイアウトを固定されたもの(フィックス形式または固定形式)とと、利用環境に応じてレイアウトを可変できるもの(リフロー形式)があります。リフロー形式の電子書籍は、文字の大きさ、色、書体、背景色などを変えることができます。電子書籍の中には、電子機器の読み上げ機能や辞書機能を使える電子書籍、マルチメディアデイジー図書と同じように本文や画像を音声と同期させて、読んでいる部分をハイライトできる電子書籍もあります。

もどる

オーディオブック

オーディオブックとは、耳で聴いて読書ができるように、図書の内容を専門のナレーターが読み上げた音声が収録された音声コンテンツことです。

もどる

さまざまな障害に関する資料・情報

障害のある子どもを持つ保護者、支援者、教育者などの大人向けに、サポートの手助けに関する資料があります。より詳しい情報を探したい時は、図書館のレフェラルサービス(referral service)を利用することができます。レフェラルサービスとは、利用者が探している情報について、その情報源や詳しい情報を有する専門家や専門機関などを紹介するサービスのことです。図書館が専門期間等に問い合わせをして利用者に情報を提供するサービスを行なっている場合もあります。

もどる

道具

リーディングトラッカー

リーディングトラッカーとは、ディスレクシア(発達性読み書き障害)のある方や視覚障害(視野狭窄、黄斑変性など)などのある方の読書をサポートするための読書補助具の一つです。リーディングトラッカーは、本文の上に重ねることで、上下の文章が隠され、読みたい一行だけが透過して見えるようになり、視点を集中させて読むことができます。透過の部分は、ピンク、ブルー、グリーン、イエロー、クリアなどの色のバージョンがあります。集中して読書したい方なども活用できます。

もどる

リーディングルーペ

リーディングルーペとは、リーディングトラッカーにルーペ機能が着いた読書補助具の一つです。本文の上に重ねることで、上下の文章が隠され、読みたい一行だけが透過して見えるようになり、一行の文字が2倍に拡大されます。透過の部分は、ピンク、ブルー、グリーン、イエロー、クリアなどの色のバージョンがあります。

もどる

タブレット端末

タブレット端末とは、画面の操作を指やペンなどで触って操作できるタッチスクリーンを備えた携帯端末のことです。電子書籍、オーディオブックなどの読書ができます。読書以外にも、個々のニーズに応じて、タブレット端末の支援技術の利用や、インターネットを利用した学習コンテンツや視聴覚コンテンツを用いて楽しみながら学ぶことができます。図書館によっては、タブレット端末を貸し出していることがあります。

もどる

コンピュータ

コンピュータは、タブレット端末と同様に、電子書籍、オーディオブックなどの読書ができます。読書以外にも、個々のニーズに応じて、タブレット端末の支援技術の利用や、インターネットを利用した学習コンテンツや視聴覚コンテンツを用いて楽しみながら学ぶことができます。「りんごの棚」の側にコンピュータを設置することで、インターネット上にある資料を利用することができます。

もどる

設置方法

「りんごの棚」 は、3つのステップで簡単に設置できます。 あなたのまちの図書館や学校ではじめてみませんか?

ステップ1

「りんごの棚」 の場所を作る。

りんごの棚のイラスト

ステップ2

図書館にある利用しやすい形式の資料、サポートのための資料や道具を集める。

さまざまな利用しやすい形式の資料を集めた様子のイラスト

ステップ3

子どもたちが「りんごの棚」を見つけやすいように、 デコレーションして完成。

りんごの棚を完成させた様子のイラスト